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木の葉が舞い散り、割れた窓ガラスが僕を刺す。
荒れた庭にただひとり居るのは僕で、君はどこにも居ない。
傍には崩れた廃屋。
飛び交う無数の黒い鳥は自由な空に孤を描き、君を葬送する。
辺りには僕以外、いや、僕と君の思い出以外には何もなかった。
荒れた視界が、僕の奥で蠢く黒いものをいっそう突き動かしては淀んでいく。
重たい頭をあげ空を見上げた後、再びうなだれる。
ひとは哀しいものだと、思った。
いっそひとになんて絶望できれば良かったのに。
けれど愛した君も人間だった。ひどく優しい人間だった。
それが今でも、痛い。
受け取り手のないこの気持ちは、どうか、思い出と一緒に、流して。
僕の叫びはひとり哀しく響くだけ
さよならバイバイまた明日
最後にも一度、君に愛して欲しかった。
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