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朝、外から微かに聞こえるバイクの音で目が覚める。
プツリと音は消え1分後には家のチャイムがなった。
『ピンポーン』
俺はなんとなくドアホンで相手を確認することにした。相手が誰かなんてわかりきってることなのだが。
「どちら様?」
『俺だよ俺!』
「俺って…ピコルくん?」
『誰だよそれっ!?慎吾だよぉ早く開けてぇ』
「ピコルくんを忘れるとは…この軟弱者!」
そう言いつつ俺はドアを開ける。
ドアの向こうには膨れ面した慎吾が立ってた。
「もう!どうせ俺だって分かってるんだからすぐに開けてくれたらいいのに!」
「開けてみなきゃ誰かわかんねぇよ…ってかまたバイト帰りか?」
呆れてる俺に余計に眉を八の字にする慎吾。
「…だってあっちゃんと遊んでたいんだもん」
慎吾のすねた顔は子供みたいだ。
思わず俺は笑った。
「だからって寝てないんだろ?」
「寝なくたって平気だし!あ、でもシャワーは貸して」
「はいはい」
慎吾は中に入り、何をするでもなくまずは風呂に直行する。
これももう慣れたこと。
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