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僕と幸宏は閉じていたダンボールを開いて中にいるネコを確かめることにした。
「わぁ、かわいい」
「かわいいですぅ」
まず、最初になぎさと優奈ちゃんが僕たちを押し退けて歓声を上げた。
さすが女の子というところだ。運んできた僕たちに最初にみる権利がありそうなのに自分たちが先に見るとは……。
ま、別にいいけどね。全然気にしてないし。
……………………くそぅ。
ダンボールの中にいたネコは全部で四匹。
僕が運んできたダンボール箱には全身が真っ白いネコと身体は白で尻尾の黒いネコが二匹、幸宏のほうは身体は黒くて尻尾の白いネコと耳の色が白い黒猫が二匹。子猫かな?
この二人がかわいいって言うのもうなずけるね。
尻尾の白い子猫は穢(けが)れのない目で見つめてくる。
「うん、コイツは大丈夫みたいだ」
「何してるのさ?」
子猫をみていると幸宏が二匹の黒猫を見てそんな事を言ってきた。
「……ん、いやなに、コイツらに病気があるか確かめているだけだ」
さも、平然と答える。
「へ~~。あんたにそんな知識があるなんて知らなかったわね」
「さすが佐倉先輩ですねぇ。すごいですっ。尊敬しちゃいますよぅ」
なぎさはネコに詳しい幸宏に意外な顔をした。優奈ちゃんはキラキラした瞳で感激した表情をしている。
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