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……さらら? どこかで聞いたことのある名前のような……そうか! さららってあの獣医さんのことか。ふう、思いだせてよかった。これで僕がバカじゃないことが証明されたよね……でも、なんであの人の電話番号知っているのかな?
「よし、電話したことだし、みんな行くぞ」
「あ……そうだね」
「はいですっ」
「わかったわ」
歩き出した幸宏に僕たちはついていった。
*
「ここだ」
幸宏の後をついて歩くこと15分。やっとさららさんの勤めている動物病院に着いた。
看板には『結希動物クリニック 銀のさらら』と書いてある。
「……銀のさららってさららさんの名前と関係あるのかな?」
「ここはあいつの祖父が経営している動物病院だからな。名前の由来はあいつの名前だ」
「へ~~」
「ちょっと、さららさんて誰なのよ?」
なぎさは僕の袖を引っ張って聞いてきた。
「そういえば、なぎさと優奈ちゃんはさららさんの事知らなかったんだっけ?」
「うん」
「はいですっ」
「さららさんとは去年の夏に知り合った人でね……」
「おい、お前らそんなところで話してないで入るぞ」
僕がなぎさたちにさららさんとの出会いの話をしようとしたら病院の階段を登っていた幸宏に中断させられた。
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