雨の日の出会い

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雨の日と晴れの日、どっちが好きかと聞かれたらぼくは間違いなく晴れが好きだと答えると思う。 晴れだと気分が高揚して気持ちがよくなるし、雲一つ無い青空だったらもっといい。なによりもぼくが好きな陸上部のトラック競技の徒競走が出来るからだ。 雨の日はグラウンドが使えなくなるから嫌いだ。 退屈な授業が終わり、朝賀大地はいつものように下駄箱で学校指定の上履きから運動用の靴に履き替えているとポツポツと雨が降ってきた。 「はぁ……雨か」 思わずため息をもらしてしまう。 朝の天気予報では夕方に雨が降るなんて聞いていないよ……まあいいや。多分この雨の量ならすぐに止むと思うし部室に向かうか。 そう判断して履き替えたばかりの靴を履き替えて直接、部室に向かうことにした。 陸上部の部室は学校内にありそこに向かうには、下駄箱のある玄関からグラウンドに向かっていく方法と校内から向かう二つの方法がある。 前者は急いでいるときや直接グラウンドに向かいたいときに重宝する。 後者はこういう雨の日によく使ったりする。 雨に濡れてまで向かう人はそういないからね。
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