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肩口までに切り揃えた栗色の髪。綺麗に整った顔立ちに長い手足。ピンク色の柔らかそうな唇。
豊満な胸がスポーティーに動く彼女の邪魔をしているように見える。
僕にはよくわからないがクラスの男子のみんなはあの大きな胸がいいらしい。
「そうだっけ?ごめん。ぜんぜん聞いてなかったよ」
「べ、別にわたしに謝らなくても…」
なぎさは鍵の束を指先でくるくると弄(もてあそ)びながら僕の視線から目を逸らす。
心なしか頬が紅潮しているようにみえる。
「なぎさの顔赤いけど大丈夫?」
「き、気にしないで。暑いだけよ、きっと」
なぎさは空いている反対の手でパタパタと自分の顔に風を送る。
「? ふ~~ん」
「そ、そんなことよりも部活休みになったけど大地はどうするの?」
なぎさはコホンと咳払いをして話題を戻す。
「う~~ん…どうしようかな」
走る練習をしたいけど外は雨降っているしやることもないし、
「このまま帰ろっかな」
「そうなんだ。じ、じゃあさ…い、い、いしょに、一緒に………」
「ん?」
「朝賀先輩、一緒に帰りませんか~~」
顔を茹でダコのように真っ赤に染めて何かを言おうとしたなぎさの言葉を遮って優奈ちゃんに下校に誘われた。
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