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歩っていく内にそれが若い女だと分かった。
女は、少し肌寒くなってきたというのに、夏場の様な薄着だった。
黒いストレートヘアーをだらりと垂らし、下を向いたまま黙って立っていた。
「あっちゃ~」
「まんまだよ!」
「面倒に巻き込まれるのはゴメンだ」
見えない振りをして、何食わぬ顔で、女の前を通り過ぎた時じゃった。
わしの前に不自然な角度から女の顔が!
「!!!!!!」
「…あ~、驚いた」
「いきなり、何するんじゃ~!」
わしがそう怒鳴ると、
『アハハハハハ、ご免なさ~い』
『だってあなた無視するんだも~ん』
「なんじゃ?」
「さっきまでの様子と大分キャラが違うの~💧」
明るく笑うその顔に拍子抜けしてしまった。
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