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「お兄ちゃんは私に『戦争が終わって平和な世の中になったら、…結婚してくれないか』って言ったの」 「私はお兄さんの様に思っていたし、何よりまだ子供だったのね」
そう言うと、照れ臭そうに笑った。
「突然の事に、眼を丸くして戸惑っている私に『今すぐに返事はしなくてもいい…、安物なんだけどこの木の根元に指輪が埋めてある』、『場所は君ならすぐに分かると思う、もしこの話しを受けてくれるのなら、明日の同じ時間にその指輪をはめて、この木の下で待っていて欲しい』それだけ言うと、くるっと後ろを向いてね、戸惑ったままの私を一人置いてさっさと帰ってしまったの」
「きっと、照れ臭かったんでしょうね」
そう言うと、少女の様な笑顔を見せておった。
「その日の夜は寝れなかったわ」
「自分なりに一生懸命、考えてねぇ…」
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