7人が本棚に入れています
本棚に追加
訓練が終わり、とぼとぼと部屋に戻る一弥。
(グレイ……あんまりや。)
そんな事を思いながら、裏通路を通っていると、一人の老人があぐらをかいて座っていた。
一弥は気になったため、老人に話しかけた。
「じっちゃんどうしたんや?」
「あ、あぁ。商売をちょっとな……」
掠れた声で答える老人の足下には、柄の無い刀や、ボロボロの銃、変な形の刀等の珍品が置いてあった。
「おぉ!!」
珍品が一弥の貧相な美的センスに火を付けた。
「この刀いくら?」
ボロボロの柄の無く、刃零れした刀を手に取って老人に尋ねた。
老人は一弥を目をまんまるにして見た。
「坊主……どうしてその刃零れした刀を?」
掠れた声が尋ねる。
「ワイの何かにピンと来たんや!!」
ビシッと言い張る一弥に老人は驚いた様子で答えた。
「いいよ。持っておゆき。」
最初のコメントを投稿しよう!