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阿修羅は2時限目の数学はぼ~っと窓の外を眺めていた。
グランドでは1年の体育が行われていた。
阿修羅がスッと眼を閉じると、
「キャアァァァ!」
「ウォォアァァァン!」
突然学校に響き渡る断末魔、それと同時にこの世の物とは思えない声がこだました。
生徒は一斉に窓に集まり外の様子を観察した。
まさに惨状だった。生徒の数名は血にまみれグランドに横たわっていた。
ウォォアァァァン!と、奇妙な声を発した者は黒き容姿、3mはゆうに超える巨大な身体と長き爪、そして口に生えた血に染まった白く細長い牙。
全てが信じられなかった。
そして再び響くあの声…………
我に"殺"の………
殺の快楽を………
我が宿主よ………
我が力を…………
解き放て…………
「誰だ……てめぇ………ッ!」
痛みが再び宿る右眼を押さえて問う阿修羅。
我はそなたの心に宿る"式神"焔(ホムラ)
そなたの心が具現化し生まれた者だ………
「"式神"焔、だと………………し、信じられっかよそんな事!」
我が力を解放してはくれぬか?
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