汝、我と契りを交わす

6/7
前へ
/400ページ
次へ
阿修羅は2時限目の数学はぼ~っと窓の外を眺めていた。 グランドでは1年の体育が行われていた。 阿修羅がスッと眼を閉じると、 「キャアァァァ!」 「ウォォアァァァン!」 突然学校に響き渡る断末魔、それと同時にこの世の物とは思えない声がこだました。 生徒は一斉に窓に集まり外の様子を観察した。 まさに惨状だった。生徒の数名は血にまみれグランドに横たわっていた。 ウォォアァァァン!と、奇妙な声を発した者は黒き容姿、3mはゆうに超える巨大な身体と長き爪、そして口に生えた血に染まった白く細長い牙。 全てが信じられなかった。 そして再び響くあの声………… 我に"殺"の……… 殺の快楽を……… 我が宿主よ……… 我が力を………… 解き放て………… 「誰だ……てめぇ………ッ!」 痛みが再び宿る右眼を押さえて問う阿修羅。 我はそなたの心に宿る"式神"焔(ホムラ) そなたの心が具現化し生まれた者だ……… 「"式神"焔、だと………………し、信じられっかよそんな事!」 我が力を解放してはくれぬか?
/400ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1008人が本棚に入れています
本棚に追加