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化け物は目の前に現れた阿修羅を見て爪を立てて襲いかかってきた。
が、その爪が阿修羅を貫く事は無かった。
吹き抜ける一陣の風は黒い姿の化け物の前を過ぎ、消えた。
「遅ぇよ………」
何の前触れも無く化け物の後ろに立っていた阿修羅はそう呟き、鎌をクルクルと廻し動きを止めた。
同時に化け物の体に無数の傷が出来、そこから赤い血が流れ落ち、吹き出すに至った。
ブシュゥゥァァァアァァァ!
………サァァァァ!
その姿が突然、砂に変わりグランドに混ざり遂には分からなくなった。
阿修羅は鎌に付いた血をブンッと振り落とし肩に担いで姿を消した。
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