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始まりの物語
ここは、豪華飛行船
貴族からお偉いさんの大好きな賭博場だ。
「さてもう一儲けするか」
ブロンドの髪の女のとなりに
ガタッンと席についた
「パニッシュがいないと儲かるのに~」
と頬杖をつきながら女は話しかけてきた。
「悪いなルーディ。俺も生活あんだよ。」
「あら?あたしもよ?」
とクスクス笑いながらカードを見つめ答えた。
ポーカか…
俺はこれで負けたことがない
手札に目を配りながら
「ところで、バットは?」
「今日の獲物の様子を見に行ったわ。」
回したカードを見てあら?ありがと。と呟きながら彼女は言った。
「アイツ劇に出るのか?」
「ええ。初舞台らしいわ。後で花束おくらなきゃ。」
いいカードが揃ったのだろう
いつもより笑い声がおさまりきれてなく
クスクスと長く響いた。
「獲物の方は観客席。劇はエントランスで18時から。それでいいんだろ?」
「ええ。劇は『忘れてしまったあなたとの約束』よ。バットはヒロインの友人Aよ。」
会話終了と共にカードが揃ったのか
「はい。私の勝ちかしら?」
カードを広げ
得意気にブロンドの髪を払う
「残念。仕事が終われば俺はとっとと引き上げる。バットにはあんたが花束贈りなよ。」
そういって
俺も手札を広げた。
「まいどあり。報酬は別であんたの上司シャーレイからもらえばいいんだよな。」
ルーディは顔をひきつらせて
「女には優しくするものよ。」
席を立って
俺は片方口を吊り上げ笑ってみせた。
後方のドアに向かい
劇のエントランスに向かい始めた。
ルーディはため息をつきいた。
「シャーレイ様もなんであんな悪魔みたいなやつがいいんだか…」
彼女は顔を赤くしていた。
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