約束もあの桜で

3/5
前へ
/13ページ
次へ
「さくらちゃぁん……飲もう!」 私の首の後ろから手を回し、抱きついている。 その為、私に息がかかる。 (お酒臭いよぉ……) どうしても縮こまってしまう。 なんで今日に限ってお酒なんて飲んでいるのだろうか。 いつもならまわりちゃんはお酒を飲まない。 飲むのなら自分か自分以外の誰か目出度い時ぐらいしかない。 (ん~じゃあ何か目出度い事があったのかな?) 「ねぇねぇ桜ちゃん♪」 ニヤニヤしながらまわりちゃんは話しかけてきた。 …何だか嫌な予感。 「あの時のカッコイイ男の子だれ?桜ちゃんの彼氏?」 「……っ!!」 予感的中。 まさか見られてたなんて……。 「白川君は彼氏じゃないよ!!確かにカッコイイけど……それに今日初めて会ったばっかりで急に彼氏なんて……って私なに言ってるの!?うぅ~恥ずかしいよ……」 ボンと自分の顔が紅潮していくのが分かる。 それでもなお、まわりちゃんはニヤニヤしていた。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加