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「ああ、転けられた上に風邪を引かれて俺のせいになったら最悪だからな。……まぁ、ここで出会った何かの運だ、俺の名前は白川 優。よろしく」
お互い右手を掴んで握手をする。
最初は握手することに何の意識もしてなかったけど改めて、意識してしまった。
(男の子の手って少し堅いんだね……)
そういえば、男の子の手を触ったのは初めてかもしれない。
普通は小さい時に何の意識もせず、普通に手とか触っているだろうが、私は小さい時からあの病院に居たからろくに友達と……いや、人と遊んだ事がない。
(この人なら……私の友達になってくれるかな……?)
そんな淡い期待をしてしまう。
だが、それと同時に、友達なんて要らないと否定してしまう自分が居る。
どうせ、別れてしまうなら……。
どうせ、居なくなってしまうなら……。
そんな辛い思いしてまで友達なんて要らない。
そんな考えと友達が欲しいという考えが、私の中で駆け巡る。
本当に……私はどうしたいのだろうか……。
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