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「猫神の野郎に復讐してやる」
隆男がそう言ったとき、私は耳を疑った。
猫神様とは、私たちの町にある神社の御神体、猫の形をした岩のことだ。
普通は稲荷だとかせいぜい狗神なのだろうが、なぜか猫神。
まぁ昔からこの町に住んでいる私は特に違和感も感じないが。
「復讐って?」
「復讐は復讐だよ!俺こいつに毎日甲子園出れるよう祈ってたのに!」
馬鹿か、こいつは。
完全なる逆恨み。
これを逆恨みと言わず何を逆恨みと言えるか。
多分、隆男は何かに八つ当たりしたかったんだろう。
それがわかっていたから、私は何も言わなかった。
だが隆男の次の行動には、さすがに目を見張った。
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