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ただ、頭が異様に大きい。 耳があるけど、それをのけても大きいと思う。 そして、僕の方には背中を向けているけど、その口はきっと耳まで裂けてるんだ。 その口で、影を引き剥がしながら食べてる。 ガツ、ガツ、ガツ。 うん、そんな感じ。 そして、ぺろりと平らげちゃった。 僕は、よく判らない影よりも、猫又先生の方が怖いよなぁ、と思った。 男の人は、影が食べられてる間も、僕の方を青い顔をして見ている。 そして何か喋ってるみたいだった。でも、声が小さすぎて聞き取れない。 周りには、男の人の叫び声に、何事かと驚いた人達が集まってきている。 友達も近くまで来ていた。 僕は、猫又先生が影を平らげて、元の大きさに戻ったのを見た後、友達の方へ行こうとした。 でも、人が多過ぎるし、騒ぎを聞き付けた警察の人が来て、野次馬を整理し始めちゃったもんだから、その姿を見失っちゃったんだ。
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