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友達と、ちゃんばらごっこをしながら下校していた、あの日。
友達と別れた、あの曲がり角。
バイバイをした後、家に向かって歩いていた。
すると、突然、背中に電気が走ったみたいになった。熱くて痺れてる。
そして、体がなんだか急に重くなったんだ。
ハァ、ハァ、
ハァ
誰かが僕の後ろにいる。
僕は振り返った。
そこには、あの男の人が、真っ赤に染まってた。
どこか怪我したのかな?
そう思ってると、右腕を振り上げたんだ。その手には、テラテラと赤く光る刃物が見える。
そして、振り下ろす。
僕の体目掛けて。
ドンッ
衝撃が走る。
鈍い痛みが走る。
焼かれたように熱くなる。
男の人は、また腕を振り上げる。途端にそこの温度が下がる。
冷たくなる。
寒くなる。
男の人は何度も、腕を上げたり下げたりしてた。
その度に、僕の体から温度が無くなっていく。
いつの間にか、僕は空を見上げていた。でも灰色の筈の空が、赤く染まっている。
なんでだろう?
男の人はぶつぶつと、何かを呟いていた。
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