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いつものように、曲がり角で友達と別れて、あの空き地で待つクロの方へ足を向けると、スーツ姿の男の人が立ってた。 なんだか嫌な感じがした。 それに、その男の人の周りが、黒く歪んでいるように見えたんだ。 なんか、嫌だ。 この人、嫌だ。 駄目だよ。 嫌だ。駄目だ。嫌だ。駄目だ。嫌だ。駄目だ嫌。駄目嫌だ駄目だ駄目嫌だ駄目だ。嫌だ駄目だ嫌駄目だ駄目だ嫌駄目嫌駄目嫌駄目嫌駄目嫌駄目嫌駄目嫌駄目嫌嫌駄目駄目 『にゃあああああああああああああああああご』 僕はびっくりして振り返る。 その男の人も驚いたみたいで、僕たちの方にちらっと視線を送ると、足早にその場を去って行った。 『カナメ、話があります』 突然、クロが僕の名前を呼んで、話し掛けてきた。僕はさらに驚いて、口をポカーンと開けると、そのまま動けなくなった。 クロは、さらに言う。 『その、情けない顔はどうにかしなさい。とにかく口だけは閉めておかないと、蝿に飛び込まれますよ』 えらく丁寧な物言いに、とりあえず口を閉じる。 って言うか、蝿って何なんだ……。
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