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『鬼に憑かれた人間が、他の人間の目にはそう見えたのかも知れませんね。でも実際は、あの影が鬼なのです』
「はぁ」
やっぱり、こんな返事をしちゃう。イマイチ、ピンとこない。
『それで、あの鬼を退治する手伝いをして貰いたいのです』
「はぇ!?」
突然の話の展開にびっくりする。なんでそんな話になるの?
そりゃ、この状況は受け入れたけど、鬼退治なんて絶対ムリ。
だって僕、桃太郎じゃないもん。
でも猫又先生にそう言うと、
『カナメなら大丈夫ですよ』
どこからそんな自信が出てくるんだろう。そう断言されると、わかりましたって答えるしかないじゃないか。
それを聞くと、猫又先生は満足そうに喉を鳴らして、地面に跳び下りた。
そして、いつものように家に向かって、僕の前を悠然と歩いていく。
僕は今からだと思ってドキドキしてたから、少し安心して、その後ろを尾いて家に帰ったんだ。
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