19人が本棚に入れています
本棚に追加
「久し振りだな、晴香。」
急に男性は、挨拶してきたのだが、
晴香はまだ誰だかわかっていないのか、挙動不審だった。
「すいません。私あなたのこと誰だか分らないです…。」
晴香がそういうと、
男性は寂しそうにうつむいた。
そして、あろうことか、
窓から飛び降りた。
晴香は目を疑った。
ここは二階のはず、
飛び降りたら死んでしまう。
そんな不安を胸に、
晴香は窓から下を見下ろした。
あの人はいなかった。
宿舎の前にある、車が止まっていない駐車場で、
同じ部活の男子二人がキャッチボールをしている。
ボールを取る音がパシンと、あたり一面に響いていた。
最初のコメントを投稿しよう!