☆第一章☆

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「久し振りだな、晴香。」 急に男性は、挨拶してきたのだが、 晴香はまだ誰だかわかっていないのか、挙動不審だった。 「すいません。私あなたのこと誰だか分らないです…。」 晴香がそういうと、 男性は寂しそうにうつむいた。 そして、あろうことか、 窓から飛び降りた。 晴香は目を疑った。 ここは二階のはず、 飛び降りたら死んでしまう。 そんな不安を胸に、 晴香は窓から下を見下ろした。 あの人はいなかった。 宿舎の前にある、車が止まっていない駐車場で、 同じ部活の男子二人がキャッチボールをしている。 ボールを取る音がパシンと、あたり一面に響いていた。
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