出会う

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「にゃんこ……?」 声をかけ、のら猫の身体にそっと触れる。 だが、驚く様子もなく、ただ鳴き続けるだけだ。 頭を撫でても、尻尾を触っても、その場から動く気配はない。 『何か……嫌だ………』 そう思った瞬間に、雅人は、その猫をそっと抱き上げ、軽くタオルにくるみ、おばあの車へと走り出していた。 『嫌だ』 この言葉だけが、雅人の心を満たしていた。
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