1人が本棚に入れています
本棚に追加
のら猫が鳴き出してから、3時間が絶った。
「みゃぁーぉ……」
少々声が掠れ、勢いもあまり感じられないほど、弱々しい鳴き声が、辺りの芝生をそっと揺らす。
「もう鳴くな」
人間ならば、そう言いたくなるだろう。
でも、この丘には、こののら猫一匹しかいない。
だから、誰も止めてくれない。
このことをこの猫が知っているのだろうか。
ただ、弱々しいのら猫の声が響き続ける中で、そっと太陽は目を覚ました。
そして、太陽が起きるとのら猫は、鳴くのを止め、ごろんとその場でうずくまり、すやすやと寝息を立て始めた。
これが、一度目の休憩だった。
最初のコメントを投稿しよう!