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少年が乗るとすぐに車は発車した。
地元の道を通り、高速道路を通り、山道を走り……。
やっとの思いで祖父母の家へと着いた時には、父さんは疲れきっていた。
「父さんは寝るからな。遊んで来いよ」
と腰に手をあて、大きな欠伸をしながら言った。
それで、どうしようかと考えているとおばあが
「まぁさ、今から蜜柑山行くけど来るかい?」
と言われ
「うん」
と即答した。
おばあの蜜柑山に行くのは2年ぶりだろうか。
蜜柑山と言っても、その山の名前がこうなのではなく、ただ、おばあの蜜柑畑があるから、そう呼んでいるだけだ。
蜜柑山に行くといつも何か発見できるから、雅人は、楽しみで、楽しみでしかたがなかった。
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