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しばらく考え込み、やがて顔を上げて
「……わ、私、実は、不治の病を幼き頃からこの身体に患わせておりますゆえ、貴方方の御身に支障を来すような愚行は決して出来ませぬ」
不思議にも若干辛そうな面持ちで明かした事実。
「隠していて、大変申し訳ございませんでした、何とか身を置いていただきたく思い、このことは伏せておきました…本当に申し訳ございません!」
口数が少なく無表情でクールビューティーなお鶴が、取り乱し気味な口調と雰囲気で精一杯謝罪をした。
本来ならば追い出されても仕方ないお鶴の言葉であったが、男は
「ふん、そんなことか。気にする必要は無い。あと、どうしても不安だと申すのならお前は別室で寝るが良い」
さっきのお鶴の態度もあってか、別室で寝ることを勧めた。
「あ、ありがとうございます」
ホッとしたとたん、もとのクールビューティーなお鶴に戻った。まったくもって不思議な奴である。
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