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翌朝、ユウタはすでに目覚めていたナナに缶詰をあげた。
エサを食べているナナの前にしゃがみ、
ユウタ「…一応戸締りはしていくけど…ナナ?お前は体が弱いんだから外には出るなよ?」
ナナは無視して食べ続ける。
ユウタ「よし!いくか。…朝はコンビニでおにぎりを…その後、銀行に…」
素早く着替えをすまし、独り言を言いながら、四種の必須アイテム『財布・タバコ・鍵・ケータイ』だけポケットに突っ込む。
ナナは満足そうに、毛布に戻りまた寝る体制だ。
ユウタ「…いってきま~す…」
玄関からナナを見ながら小声で言いドアを出て鍵をかけた。
愛車Kawasaki『ZXR400-Ⅱ』に乗り、近くのホームセンターに行くことにした。
弁当もATMもペット用品も全て揃う事に気が付いたからだ。
しかし、不安要素があった…
メーターの走行距離が『164km』…
このバイクの燃費は約17km/㍑で、タンクには10㍑ほどで満タンなのだ。
ユウタ(…ん~?往復には足るだろ♪)
ホームセンターに着いて、まずATMに並ぶことにした。
運良く前には1人だけで早めに順番は回ってきそうだ…
…5分経過
…10分経過
…いくらなんでも遅すぎる…
自分の後ろには結構な列ができていた。
チラッと前を覗くと、キャッシュカードが何回も出たり入ったりしている…
ユウタ(なにしてんだろ?操作が分かんないのかなぁ?)
親切心で近づき声をかける。
ユウタ「大丈夫ですか?操作が分らないんでs…」
横に来てやっとわかった…
男は外国人のようだ。
そして手に握られていたのは、到る所のポイントカードだった。
男と目が合い少し固まったが、ユウタはニッコリ笑い自分のキャッシュカードを男に見せた。
男は目を丸くさせていたが、指で『これをここにいれるんだよ』とジェスチャーで伝える。
男は固まったままで動かない…
ユウタ「?」
男は歩き出し「チッ」っと舌打ちをして去っていった…
僕がATMの前で固まっていると…
オバチャン「にーちゃん、はよしてかぁ」
後ろに並んでたおばちゃんが不機嫌そうに言ってきた。
僕は早々に、お金を引き出し店内に入ることにした。
その間、頭の周りには?マークと煙が渦巻いていた。
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