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ユウタ「…ん~…」
ユウタは頭を悩ませていた。
それは、ナナの為に買った大量の品物をどうやって運ぶか…
レーシングスタイルのバイクに荷物を積む所は皆無である。
ユウタ「やっぱり、両手で持つしかないか。」
両手首に袋を引っさげて前傾姿勢でバイクに乗る。
正直、キツイ。
ブレーキもクラッチも握るのが苦痛にも思える程だった。
ユウタ(…家までの辛抱か…)
覚悟を決めて走り出す。
フォン、フォォー…
フォ、ブブブ…モォ、モォォォォ……プスン…
ユウタ「…マジでか!?」
ガス欠だった…
ホームセンターから20mの地点にてバイクはリタイアした。
近場のGSまでより家の方が近い…
ユウタ「…フンッ!っぬぉぉぉぉらぁぁぁっ!!!!!!!」
バイクのハンドル両端に大きなビニール袋をいくつも下げ、フルフェイスの男が奇声を上げながらバイクを押して走っている。
明らかに異常な光景に車達はスピードを緩め様子を見ていく。
男「おい…見ろよ。…プッ」
女「え~?なぁにぃ?あれ?ちょ→変体者じゃん(笑)」
窓全開で会話するカップル。
ユウタ「…それを…いうなら…ゼェゼェ…『変質者』…だぁぁぁぁあ!!!!」
ダッシュしながらもツッコミを入れるユウタ。
慌ててスピードを上げる車。
追いかけ…ないユウタ…
体力の限界だった。
そのしばらく後に、田舎町の道路が未曾有の大渋滞になり警察が出動するなど大騒ぎになった。
しかしユウタはすでに家に着いていて、それを知る事はなかった。
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