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いつもの公園で日向ぼっこしていると、不意に何かが近くに落ちる音がした。
良い匂いが漂い、瞑っていた目を薄く開けるとソレは…
焼き魚の欠片だ
視線を少し遠くにやるとニコニコしながらベンチで弁当食ってる人間が箸をこっちに向けている。
ネコ(…あいつか…)
人間に警戒しながらも起き上がり、地面に捨てられた魚を食べる。
しかし、人間はなんで簡単に食べ物を捨ててしまうのだろう?
理解に苦しむね。
まぁ、そのおかげで自由気ままに生きて行けるのだから感謝するべきなのかな?
いや、人間なんてロクなもんじゃないな…
この間、私の母親は人間に連れ去られた…
もう、走っても追いつけない所に行ってしまったんだ。
私は人間が…
…
ん?特に嫌いでもないな。
いや、好きと言う訳でもないけど…
だけど、母親には同情する。
自由に死ねなかったのだから…
そういう運命だったんだろぅ。
魚を食べ終わり、少し物足りなさを感じながらその人間を見据える。
人間が弁当と私を交互に見る。
そして、ベンチの前にしゃがみこむ。
少し私は後ずさりし、様子を伺った。
人間との距離は5mほど。
いつでも逃げられる。
人間は容器を手を伸ばした先に置いた。
中身は…ほとんど無い。
でも、幾分食べられるのはある…
地面に置いたのなら、捨てたのだろう…
警戒しながら這う様に回収しに行く私。
人間はこっちを見ていた。
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