第一章。現実は小説よりも奇なり

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俺は鞄を担いで玄関のある一階へと降りる。スカートがひらひらと舞うが背に腹は代えられない。一刻も早く遅刻を免れることだけを考えねば。 玄関から飛び出し、俺は家を見た。三階建てで屋上付きだ。三階は私室、二階はリビングやお風呂の生活空間。一先ず黒い簡素な門を抜けた。 ……。 八時二十二分。俺は全速力で自転車を走らせていた。 携帯で時刻を確認しながらも、焦りが増していく。 まずい、まずいってこれは。 「遅刻するぅぅぅ!」 スカートがかなり翻ってるとか、髪がばっさばっさ凄いのとかもうなりふり構ってられない! 「うわもう8:25。急がなきゃ」 俺は速度を上げて風のようにその場を走り抜けた。
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