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「なんで、1分でいいからお茶でもしませんか!?」
――言ってることがもうめちゃくちゃだ……、1分でお茶するって、自販機で紅茶を買って飲み干すくらいしかないじゃないか。
「お願いします!」
――こうして見ていると、なんというか……、人間の愚かさを思い知るな。
「丁重にお断わりさせて頂きます」
とりあえずこのことを今日の日記につけておこう。(日記なんて最初からつけてないが)と朱紅は決めた。
野暮用を済ませ帰宅すると仄かに夕食の香りがした、食材を煮込む水っぽい匂い。階段を上がると妹達がいた。
「ただいま」
「お帰り、おに…お姉ちゃん」
妹にただいまの号令を掛けると、吃ってから返事をしてきた。
「……無理しなくてもいいんだけど?」
「無理なんてしてないよ」
――いや、あきらかに付け足したような違和感を感じる。
「あー、もうわかったわかった。じゃあもうお風呂入るから。誰かお風呂入ってる?」
「さっき入ったばっかりだから、入ってる事は無いと思う」
「そっか、じゃあ俺は風呂に入ってくるから」
「わかった、そう言付けておくね。おに…お姉ちゃん」
また突っ返る妹をリビングに見送って、朱紅は二度目の風呂に挑戦した。
結果はやはり惨敗。随分と刺激が強すぎる。これでは一人の女性と関係を持つのも無理そうである。
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