第一章。現実は小説よりも奇なり

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「朱紅~、起きなさい。七時半よ」 母の張り声に起こされる朝七時二十分。 勿論、普段通りの低血圧な寝起きだった。 綺麗な空の表情とは裏腹に反比例する気分を押さえ込みながら、とりあえず下に降りてみた。 二階に降りればその内目が覚めるだろうと思ったからだが、結果としては大して意味はなかった。 「眠い…、眠すぎる」 「はい、コーヒー」 俺の目の前にグラスに注がれたカフェオレが置かれた。 氷が硝子とぶつかる小気味良い音色を立てる。
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