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「ぶふぅ~~~~~」
丸々と太り、年老いた希少な♂三毛猫は路地裏に打ち捨てられたソファーの上で大きなため息をついた。
いつも横には餌という財力をフルに使って集めた美しい♀猫が周囲に群がっているが……
今日は1匹、若い♀の黒猫がいるだけだった。
丸々肥えた猫はまさに猫なで声で♀猫に語りかけた。
「なぁミィちゃん。なぜこっちを向いてくれないんだい?
わしは貴女に何不自由させないじゃないか。
美味しいキャットフード、新鮮な魚、あまぁいミルク……
わしは全てを持っているのだよ。
なぁ……
ミィちゃん、口を聞いておくれ」
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