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「まさかハルは信じてるの?なんだっけ、『どんな願いでも叶えてくれる猫』だっけ?そんな話なんてさ」
「まあまあ、落ち着けよ。それに根も葉もないただのウワサってわけじゃないみたいだ。ちょっと見てくれよ」
そう言って机の中から取り出したのは恐らくパソコンからコピーしたのだろう紙が三枚。
どれも文字だけだが、きっちり改行されていてみやすくなっている。
「ほらこれ、今までにソイツに出会ったと思われる人達の意見やら感想やらだ。どうやらソイツにはパターンがあるみたいでな、姿や模様は毎回違うみたいだな。それから…」
「いや、いいよ。特に聞きたい訳じゃないし。それにもうすぐ5時間目のチャイムが鳴るよ」
興味がない僕にとって、ホントにどうでもいい話だったので切り上げたが、ハルには不満らしく軽く舌打ちをしてから僕の背中をはたいてから自分の席に戻った。
あと数分でチャイムが鳴ると言うのに、隣の女子が話をやめる気配はなかった。
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