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「キィーキィー」
耳障りな鳴き声が眠気を覚ます。
「ん…あと五年…」
少女は布団に包まりとんでもないことを言う。
あと五年も眠り続けるつもりなのだろうか?
「キキィ…」
鳴き声の主は諦めた様に悲しい声を出す。
すると………。
―――ガブリ。
「痛たたたたた!!わかった、起きる、起きるからぁ💦」
と涙目で鳴き声の主に語りかける。
鳴き声の主は全身真っ黒な姿に、やはり真っ黒な二つの羽が生え、目は不気味に黄色く光っている。
体長は10センチ程でいかにもといった、まぁ“蝙蝠(コウモリ)”だ。
「ん、久しぶりの目覚めだし何か作ってあげないとね♪」
少女はそう言いながら、のそのそと起き上がり朝ご飯(?)を作り始める。
なぜ“?”がついたかと言うと、時計を見るともう午後の7時を回っていたからだ…。
なのにこの娘が作る料理と言えば、バターの塗ったトーストに目玉焼き、それにコーヒーときた。
「おいで♪」
蝙蝠が寄ってきて少女の肩に止まる。
少女はトーストを一口サイズにちぎる。
まさか………
「ほら、お食べ♪」
食べるのか?💧
―――ムシャムシャ
食べた💧
蝙蝠は羽の先についた小さな両手を器用につかい、与えられたトーストを美味しそうに頬張る。
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