星に願いを

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ボクは 歌舞伎町という 絶えず人の溢れてる街に 生まれて暫くたってから捨てられた 名前なんてないよ? 野良猫にそんなものはありはしない ママはチビちゃんってボク達を呼んでた ママと 一緒に生まれたボクの分身達はどうなってしまったんだろう? ボクをこの街に置き去りにしたのは 人間の冷たい手だった 知らない場所にいきなり連れて来られて 気付いたら独りぼっちになってた… 騒々しい街… 夜になっても灯りの消えない街…… ボクは今 雑居ビルの隙間に隠れてひっそり暮らしてる おなかが空けばゴミから食料を静かに探す 餌をまいて 糞を掃除してくれる人間もいるけど ボクは近付かない まだここに来たての頃は ボクみたいな野良達にいじめられた よそ者だと罵り噛みつく奴もいた けど逆に親切にしてくれる猫もいた どうやら野良猫の中にもルールがあるみたいだ ボクは単独行動が好き 喧嘩や争いは嫌い   ゴミの食事は おなかを壊す事もあるけど 食べなきゃ死んでしまう 毎日がサバイバルなんだよ  
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