星に願いを

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あまりにもおなかが空いていて まだここに来て間もない頃に ボクは自分から人間に寄っていった事がある 道端にあぐらをかいて ハンバーガーやポテトを食べていた女の子達 ボクは控えめに近付いて 小さく鳴いた おなかがすいたよ… 食べ物をください 「うわ!ウゼー!」 「あっち行けよ!」 ボクに投げられたのは ポテトじゃなく 空になった箱だった 「こいつ、売れるかな?」 「無理じゃね?汚いし」 「あたしアビシニアン欲しい!」 「あたしロシアンブルーがいいな! こんな野良じゃなくてさ!」 そうだよ? 確かにボクは君達から見たら何の価値もない野良猫… けどそんなにブランドが大切? 君達だってランクをつけられたら怒るでしょ? 命の重さは同じじゃないの? ボクは好きで捨てられたわけじゃないよ…?  
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