02‐

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02‐

 身を焦がすような朝日を浴び、それは姿を現した。堅牢な谷間に創られた樹の砦は、人気が全くと言っていいほどない。そんななかに影が2つ。  1つは黒一色で統一された軽装の甲冑を身に纏い身の丈より高い両刃剣を背負った男。もう1つは身形こそみすぼらしいが端正な顔立ちをした若い少女である。 「策はあるんですか?」  山陰から太陽が顔を出す。と同時に遠くで何か甲高い音と土煙が上がった。 「そんなものは無いさ。」  そう言って彼は砦から遠くを見据えたのだった。
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