不幸な一日

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今日は不幸な一日だった。 占いは12位だった。しかも全部一だ。 テレビ局は遠慮を知らないのか疑う程だった。 朝、家を出たのはいつもより早かった。 しかし、異常な程に信号に阻まれて、駅に着いたのは列車が出る数分前だった。 学校では、特に何もない…訳がなかった。 些細なミスが恐ろしい程に重なり、彼は職員室に十数回も出入りさせられた。 初めての二桁。 それは、彼の人生でも異彩を放つ回数だった。 彼の不幸は留まる事を知らない。 夏休みに入り、下校する列車の中で痴漢が発生。 犯人は「クロハネです。」と名乗り、逃走した。 俺が『黒羽(クロバ)』という名字なのに対する嫌がらせか? と考えながら(列車の中で)事情聴取をうけて、帰ろうとした矢先、『クロハネ』が今度は店先の漫画をちょろまかした(らしい)。 度重なる、事情聴取。 精神にも限界が来た俺は、とうとう道端で誰かにぶつかった拍子にぶっ倒れてしまった。
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