アル晴レタ日ノ事 予想以上のフコウが 限りなく降り注ぐ

2/5

8人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
黒羽 「お~い!!止まれ白菜!!」 白菜 「……。」 白菜は聞こえていないかの様に、俺の50歩ほど前を走っている。 その差は一向に縮まらない。 黒羽 「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」 黒羽は全速力で走る。 しかし、白菜もまるで合わせているように一定距離を保っている。 黒羽 (おかしい……流石におかしい) 黒羽は走りながら考えていた。 黒羽の足が遅いとはいえ、今の速度は女子が追いつける速度を軽く越えている。 すなわち、白菜は(よっぽどの化物でない限り)限界を越えて走り続けている事になる。 黒羽 (もしかして……) 黒羽の中に、一つの仮説が生まれた。それをクロハネの"能力"と照らし合わせたとき、それは確信に変わった。 黒羽 「ならば!!!!」 黒羽は突如足を止めた。 それに"合わせるよう"に白菜も歩みを止めた。 そのまま黒羽は後ろに数歩退がる。 白菜はそれに"合わせて"いるように下がってみせた。 黒羽 「そんなことだと思った。 つまり、最初から偽物だったわけだ。」 前に立っている白菜は蜃気楼のようなモノなのだ。 黒羽と一定距離を保ってある場所へと誘導するための。 黒羽 「この先にあるもの…それは――」 白菜の家。 すなわち、白菜と反対方向へ全力で走らされていたのだ。 黒羽 「馬鹿馬鹿しい…俺も……。」 黒羽は最悪の結末を予想して、"追ってくる"蜃気楼を気にせず走りだした。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加