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道中、頭の上から聞きたくもない声が俺をめがけて降ってきた。
「おい、どこ行くんだ。ネコさん?」
電線に乗って俺をバカにしてやがるのはカラスだ。
俺の敵。
いつの日からか俺の縄張りにいた。それだけなら良かったんだが、俺の一丁目レストラン(とある家の前のゴミ捨て場)にまで入って来やがった。今となっては餌を奪い合う敵であり、数少ないネコ以外の顔なじみだ。
「ばあさんのとこに餌をもらいに行くんだ。俺はお前と違って好かれてるんでな」
俺は少し優位にたってることをアピールしながら言った。
「…へっ。俺はお前みたいにテコテコ尻尾揺らして餌を媚びる必要はないんだよ。なにせ飛べるからな!!」
カラスは一鳴きして電線から飛び立っていった。
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