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俺がカラスみたいに飛べたらなー…餌を探すのはもっと楽だったろうに。
いやいや、飛べることが偉いわけじゃないぞ。カラスはどこに行っても嫌われてる。その点俺はニャーと可愛く鳴けば人間に餌をもらえるからな!!よって、俺のほうが楽だな。
俺は得意になってふんっと鼻をならした。
俺はばあさんの家が近づくと塀に上がり、鳴きながら歩く。ばあさんに気づいてもらうための工夫だ。少しばかり目が悪いから耳も刺激してやらないとな。
「おやおや。ぶーにゃん来たのかい。」
ばあさんが俺に声をかけた。俺は塀からひらりと降り、ニャー、ニャーと鳴きながら縁台に座るばあさんの足元にすり寄った。ばあさんは少し屈んで俺の頭やら顎の下やらを撫でてくれる。
「ぶーにゃん。おめえさんはかわええな。そんな鳴いてお腹空いてんのか~?」
俺はばあさんに答えるようにニャー。
「そうかい。そうかい」
ばあさんは俺の頭をさっきより長く撫でてから家の中に消えていった。
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