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ばあさんから餌をもらった俺は涼しい物陰でレストラン開店(ゴミの日)まで寝て待つことにした。
起きるのは水を飲みに行くときと排泄の時だけ。
慣れっていうのは怖いもんで少々の妨害があってもレストラン開店に合わせて俺の体は着実に体力を取り戻した。
さて、生き(行き)ますか。
俺はゆっくりと起きあがると節々の動きを確かめるかのように大きく伸びをして例のゴミ捨て場に向かう。
体力温存のために日陰を歩くのは常識だ。
レストランに着くと俺のご馳走はまだネットに入っていた。あと20分もすればゴミは入りきらなくなるからご馳走までしばらくの辛抱だ。
「よぉ。今日は遅かったな」
電線の一番低い所にカラスは陣取っている。
「ラジオ体操のガキどもが来たせいで二度寝だよ……いつもよりちと眠い………」
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