賭け試合

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後半戦が始まった。両チーム互角の展開だった。 この試合でカギになるプレーがでたのは第3クォーターにでた。 第3クォーターの残り1分、鳴がボールを持ち、直樹がスクリーンをかけ、フリーになりスリーポイントを打った。 そのボールはリングに嫌われ、大きく跳ねた。ゴール下には公太さんと大樹、そして進がいた。 公太さんはすぐにポジションをとり、大樹にスクリーンアウトをした。 大樹は完全に押さえられた。大樹にスクリーンアウトを抜け出す技術はなく、リバウンドは取れないとみんな思った。しかし、 「はあ!?なんつーうバカ力だよ!!」 大樹が公太さんを力でグイグイ押し出していく。大樹は完全にリバウンドが取れるポジションまで辿り着いた。 そしてジャンプしてリバウンドしようとした。だが、後ろから進が飛び込んできた。 進は片手でボールに触れ、弾いた。そのせいで大樹はボールが取れなかった。そして進すぐにもう一度ジャンプしてリバウンドをとった。 二回連続で全力ジャンプでリバウンドできる人なんて…なかなかいない。進はそのプレーをしたのだ。しかも…完全に大樹がポジションを取っていたにも関わらず、リバウンドを制した。 進はすぐに0度のスリーポイントラインにいた鳴にパスをだした。鳴はもう一度スリーポイントシュートを打った。 そのシュートの弾道は低く、距離も足りなかった。しかし、それはシュートではなかった。進は鳴の放ったボールをキャッチし、そのままリングに叩きつけた。 そう…鳴は始めからアリウープパスを出していたのだ。進のジャンプ力を信じて。進はそれに反応し、最高のジャンプをした。まさか…ダンクするとは…。 俺は鳥肌が立っている事に気が付いた。
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