ありがとう

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クソ親父からの電話で夕方、仕事先から駆けつけた。 『母さんはもう長くない。今日、強めの睡眠薬を投与する。母さんの身体は、その睡眠薬に負けて二度と起きないかもしれない。でも…母さんが最後の願いだと先生に頼んだんだ。』 力ないクソ親父からの電話…『ふざけんな!亭主なら止めろ!テメー、迷惑かけっぱではいさよならか!』 俺はそう言って電話を切り、上司に許可をもらい病院へやってきた。お袋を説得して今の治療を続けさせる、そう考えていた。
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