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ところが病室で俺が見た母親は…
大量の点滴、うつろな視線、弱々しい呼吸に咳、顔や首筋には血管がメチャクチャはっきり浮かびあがってる…説得しようと考えていた事を忘れてしまう位に衝撃的だった。
ベッドの横には親戚のおばちゃんが二人、お袋の手をさすりながら話かけている。
『コウタが来たよ。カズちゃん、わかる?』親戚のおばちゃんがお袋に問いかける。
『…ぅぅぅ~ぅ…』
微かな声だが反応した。意識はある!俺がわかるんだ!
『お袋!俺だ、コウタだ!』
握ったお袋の手に微かな力が入った…
『弱気になるなよ!まだ諦めんなよ!』
俺は周りを気にせず、大声で呼びかけた。
すると親戚のおばちゃんが俺を病室の外へ招いた。
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