始まりの狼煙

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入口の扉が閉まると辺りが暗くなったがすぐに明かりが着き周りが明るくなった。 前方にはモニターが3つあり、正面のモニターが機体の前方を映し、横の二つのモニターが側面を映すようになっている。 アキラが真ん中に置かれている座席に腰かけると正面、横のモニターに映像が映った。 モニターにはあまり広いとは言えないような空間が映し出された。これが戦場となるフィールドなのである。 そしてその空間に一つ佇む機体がある。それこそが対戦相手のヨシト・カタヤマの駆るガリオンなのである。 アキラは受け付けの際に貰った機械を使ってヨシトの機体の装備を確認した。 「装備は右手のバズーカに左手の70mmガトリングガン…それと左肩にエネルギータンクと右肩の大型ビームキャノンの遠距離型の装備か……コウとあまり変わらないような装備だがバランスはしっかりと取れているようだな…接近戦に持ち込めば勝てる相手だが近寄れるかが問題だな…」 おそらくは今までヨシトと対戦した相手も今のアキラと同じことを考えただろう。しかし、ヨシトがここにいるということはその作戦は通用しなかったということなのだろう。 「何か別の作戦を考えるしかないな…」 そして一方のヨシトの方はというと… 「さあて…初参加でここまできた奴だ。一体どんな機体なんだ」 ヨシトはアキラと同様に機械を使ってアキラの装備を調べた。 「なんじゃこりゃ!?右手にビームライフル、左手に50mmマシンガンライフル。腰にビームソード2本に両足に小型ミサイルポッドだと!?何の代わり映えもしない機体じゃないか。そんな装備でよくここまで勝ち残れたもんだな」 そしてヨシトは自分の勝利を確信した。『これは勝てる』と。 しかしヨシトは知らない…今までアキラと対戦してきた参加者がヨシトと同じことを思ったことを…
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