始まりの狼煙

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少しすると側面のモニターに司会者の顔が映し出された。どうやらこれは対戦者のみに通信しているようだ。 『カタヤマ選手、準備の方は?』 「万全だぜ」 『クレナイ選手は?』 「こちらもだ。いつでもいける」 『わかりました。では、まもなく試合が始まりますので』 司会者が両者から確認を得るとモニターから消え、会場全体に向けてマイクを向けた。 『さぁ!!両者とも準備の整ったところでA.R.S.B.決勝戦を始めたいと思います!!」 司会者の一言により会場は今までに無い盛り上がりを見せる。 「へっ、いよいよか。今回もこのオレの優勝で決まりだぜ」 シミュレータの中で開始の時を待つヨシトはもう自分の勝利を確信していた。 一方のアキラはただ無言のまま開始の時を待っていた。 『それでは!!カウントダウン、いってみましょう!!』 司会者との声と合わせて会場全体がカウントダウンを始める。 10… 9… 8… 7… 6… 5… 4… 3… 2… 1…… 『A.R.S.B.決勝戦、レディー…ゴー!!!!』 そして司会者の宣言により決勝の火蓋が切られた。
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