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「おい、アキラ!!待てって!!」
コウの静止を振り払ってアキラは真っ直ぐ会場の外へと向かっていた。
(もしかすると外は今…)
陸は必死に走りそして外に出る扉を勢い良く開いた。するとそこには驚愕の風景が広がっていた。
「何だよ…これ…」
アキラはそう言うしかなかった。少し離れた市街地の中心部から凄まじい程の煙が立ち上っていた。
その煙の量は焚火とかの煙のレベルではない。あれは火災が起きたぐらいの煙の量だった。
一体何が起きたのかを確認したかったが、前方のビルが邪魔で確認できず、わからず終いであった。
遅れて到着したコウもその光景に驚いていた。
「どうしたんだよ…何かテロでもあったのかよ…」
「いや…テロだったらもっと主要の都市を狙うはずだ」
と、その時…前方にあったビルが爆発し、音を立てて崩れ始めた。何らかの攻撃を受けて倒壊したのだろう。
「まさか…ARでのテロなのか…?」
「………いや、違う…」
崩れたビルの向こうから見えた影はARのそれではなかった。それは…動物…厳密に言えば猿の姿を型どった機動兵器だった。
「何だ!?あの猿みたいなロボットは!?」
たまらずコウは叫んでいた。そしてその猿型の機動兵器は街を破壊し始めた。
会場内でもその様子が見えたのか先程よりも大きな悲鳴が響いていた。そして我先にと会場から逃げ始めた。しかし、たくさんの人数が入っていたため出口は混雑し、パニックを引き起こした。
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