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バイクを駐車場に停め、戻ってきたコウと合流したアキラは会場の方へと向かっていった。
「なぁ、コウ」
歩きながらアキラはコウに尋ねる。
「どうしたんだ?」
「会場に入る前に聞いておきたいんだが…今日の大会って一体何の大会なんだ?」
「………………………お前知らないで来たの…?」
「元々出る気がなかったからな」
「一応それぐらい知っとけよ…」
「そんなことよりもこの大会が何なのかを教えてくれ」
「まぁ、いいだろう。今日の大会はオレがいつもやってるあのゲームの大会なんだ」
「お前がいつもやってるゲーム?それって『A.R.S.B.』のことか?」
A.R.S.B.…それはアーマードロイド・シミュレーションバトルの略称のことである。
これは軍で使われているシミュレータを民間用に改良したものであり、若者達に絶大な人気を集めている話題のゲームである。
「そう。日頃鍛えている腕前を発揮したいと思ってさ。だから来たんだよ」
まぁ、お前の鍛えている腕前など見たい奴なんていないと思うがな
「で、どんな内容なんだ?」
「最初はリーグ戦があるんだ。そしてその勝者が決勝トーナメントに進むことができて、そのトーナメントを勝ち進んだ者が優勝なんだ」
「なるほど。で、お前の自信の程は?」
「ばっちしに決まってるだろ」
右手の親指をピンと立てて自信満々に言うコウ。
お前のどこからそんな自信が出てくるのだろうか知りたいものだ
「アキラ、お前はどうなんだよ?」
「まあまあ。勝てればいいぐらいだ」
「またまた。本当は優勝する気満々なんだろ?」
「勝手に言ってろ。とりあえず会場の方に早く行くぞ」
「そうだな。じゃあ行こうぜ」
二人は歩を速めて会場へと向かっていった。
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