始まりの狼煙

4/15
前へ
/23ページ
次へ
バイクを駐車場に停め、戻ってきたコウと合流したアキラは会場の方へと向かっていった。 「なぁ、コウ」 歩きながらアキラはコウに尋ねる。 「どうしたんだ?」 「会場に入る前に聞いておきたいんだが…今日の大会って一体何の大会なんだ?」 「………………………お前知らないで来たの…?」 「元々出る気がなかったからな」 「一応それぐらい知っとけよ…」 「そんなことよりもこの大会が何なのかを教えてくれ」 「まぁ、いいだろう。今日の大会はオレがいつもやってるあのゲームの大会なんだ」 「お前がいつもやってるゲーム?それって『A.R.S.B.』のことか?」 A.R.S.B.…それはアーマードロイド・シミュレーションバトルの略称のことである。 これは軍で使われているシミュレータを民間用に改良したものであり、若者達に絶大な人気を集めている話題のゲームである。 「そう。日頃鍛えている腕前を発揮したいと思ってさ。だから来たんだよ」 まぁ、お前の鍛えている腕前など見たい奴なんていないと思うがな 「で、どんな内容なんだ?」 「最初はリーグ戦があるんだ。そしてその勝者が決勝トーナメントに進むことができて、そのトーナメントを勝ち進んだ者が優勝なんだ」 「なるほど。で、お前の自信の程は?」 「ばっちしに決まってるだろ」 右手の親指をピンと立てて自信満々に言うコウ。 お前のどこからそんな自信が出てくるのだろうか知りたいものだ 「アキラ、お前はどうなんだよ?」 「まあまあ。勝てればいいぐらいだ」 「またまた。本当は優勝する気満々なんだろ?」 「勝手に言ってろ。とりあえず会場の方に早く行くぞ」 「そうだな。じゃあ行こうぜ」 二人は歩を速めて会場へと向かっていった。  
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加