始まりの狼煙

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会場へと歩を進めるたびに周りにいる人が増えていき、活気づいていくのがわかる。 人の多さからこの大会がかなり規模の大きい大会なのだと予測できる。 そんなことを思いながらアキラは歩いていると、ふと会場付近に設置されているあるものに目が止まった。 「アキラ、どうかしたのか?」 コウは進めていた足を止めてアキラに問いかけた。 「いや、ただあれが目に入ってな」 そう言うとアキラはその目が止まったものを指さした。 コウはそれを追って何があるのかを確かめるとそれは…… 「あれって……もしかして…」 コウの視線の先にあるものを見て驚きを隠せなかった。 そこにあるのはオレンジ色に塗装された四肢と鋼のボディ。二本の角の様なものが生えた頭部。それはまさしく…… 「軍の…AR…だよな…」 AR……アーマードロイドだった。一体何故こんなところに軍のARがあるのか。そもそも…… 「あれって…本物なのか…?」 「いや、違うだろうな」 コウの疑問にアキラが答えた。 「ど、どうしてそんなことがわかるんだ?」 「考えてみろ。もしあれが本物なら奪取でもされたら大変だろ」 「あ、そうか」      アキラの答えにコウは納得したようであった。 「ところで、あの機体って何て言うんだっけ?」 「お前ゲームやっているくせに知らないのか…」 「あんまりそういうことは覚えられないんだよなぁ」 コウは笑いながらアキラにそう言った。 「まぁ、いいだろう。あの機体はAR-05 ガリオンだ」 「ガリオン?あの前にあった機体を量産化した機体だよな?」 「お前それじゃあ説明になっていない。ガリオンは前に製造されたAR-03 トライグルを量産化したものだ」 「そうだ、それそれ。で、何でそのガリオンがここに置いてあるんだ?」 「多分、大会を盛り上げるための置物だろう。ゲームにもガリオンは出てるからな」 「なるほど、そういうわけか」 「納得したか?じゃあ会場に向かうぞ。いつまでもここに立ち往生している訳にもいかないからな」 そう言ってアキラは再び歩を進め始めた。コウも少し遅れながらもそれに着いていった。  
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