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昔の事だけど、俺は婆ちゃんっ子でよく田舎に遊びに行っては婆ちゃんに色々な話を聞いた。
その中でも、今にも鮮明に俺の記憶に刻まれている話がこれだ……。
今から何十年……。
いやっ、何百年も前かもしれないが日本のある山奥に“木天蓼村”(マタタビムラ)という不思議な村があったらしい。
それは地図にも載っていない様な小さな村でそこには“ネコガミ”と言う化けねこ達が静かに暮らしていたという。
でも、そんなネコガミ達も文明が発達して人々が山を切り倒していくにつれて住む場所を追われていった…。
山に住めなくなってしまったネコガミ達は生き抜く為に人間に化けて人里にて暮らしていると婆ちゃんは話していた。
当時の俺はそんな摩訶不思議な話に瞳を輝かせ、溢れる程の好奇心で胸を躍らせていたがいつからかそんな話は只のおとぎ話と思うようになっていた。
だってそうだろ?
こんな話、街中に歩いている人に声をかけ話したところで信じる人なんていやしない。
幼稚園の授業で保育士さんが紙芝居かなんかでやるようなネタだもんな。
俺だってもう信じやしない。
そう思ってたよ。
“アイツ”と出会うまでは……。
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